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ベランダのプランターや鉢のすき間に生えてくる雑草。手で抜くのが大変で、除草剤を使ってみようかと考える人もいるかもしれません。ところが、お店に並ぶ除草剤には、実は性格の違う2つの種類があり、ベランダで花や野菜を育てている人は、どちらを選ぶかに気をつける必要があります。ベランダは住まいのすぐそばで、隣や下の階とも近い場所です。種類の違いだけでなく、周りに飛ばさない使い方も一緒に知っておきましょう。
この記事では、農林水産省の「除草剤の販売・使用について」と「住宅地等における農薬使用について」のページをもとに、除草剤の2つの種類と見分け方、使うときの注意点をまとめます。後半のベランダでの考え方は、この記事の提案です。
※薬剤を使うときは、製品のラベルに書かれた注意事項に従ってください。集合住宅のベランダは共用部分にあたる場合があるので、管理規約も確認してください。
除草剤には2つの種類がある
農林水産省のページでは、除草剤には「農薬登録のある除草剤」と「農薬ではない(登録されていない)除草剤」の2種類がある、と説明されています。見た目が似ていても、使ってよい場所と目的が大きく違います。
1. 農薬登録のある除草剤
農作物や樹木・芝・花きなどの栽培・管理のために使用される除草剤です。ページでは、家庭菜園やガーデニングも含まれる、と書かれています。
なぜ登録が必要なのかについて、ページでは、農薬は農作物に使用されるものなので、国が人の健康や環境への影響を評価し、問題がないと判断したものを登録している、と説明されています。ラベルにある作物と使用方法(希釈倍数、使用量、使用時期、回数など)を守ることが前提とされています。
2. 農薬登録されていない除草剤
道路、駐車場、グラウンドなどの、農作物や樹木・芝・花きなどの栽培・管理の目的以外で使用される除草剤です。ページでは、このような除草剤をこれらの栽培・管理に利用することは、法律で禁止されている、と書かれています。
販売者向けの説明では、農薬取締法において、登録を受けていない農薬を農作物等の病害虫又は雑草の防除のために使用することを禁止しており、農薬として使用することができない除草剤を農作物等の栽培・管理に使用した場合には、その使用者は罰せられることとなっている、とされています。
| 種類 | 使う目的 | 容器・包装の表示 |
|---|---|---|
| 農薬登録のある除草剤 | 農作物や樹木・芝・花きの栽培・管理(家庭菜園・ガーデニングも含む) | 「農林水産省登録第○○○○○号」 |
| 農薬登録されていない除草剤 | 道路、駐車場、グラウンドなど栽培・管理以外 | 「農薬として使用することができない」旨 |
除草剤の見分け方
容器と包装の表示を見る
ページでは、購入する際の見分け方として、農薬登録のある除草剤には、容器・包装に「農林水産省登録第○○○○○号」の記載がある、とされています。農薬登録されていない除草剤には、容器・包装と店舗の見やすい場所に「農薬として使用することができない」旨の記載がある、と書かれています。
「非農耕地専用」という言葉に注意
販売者向けの説明では、「非農耕地専用」という表現により、購入者・使用者に、農耕地でなければ使用することができる(例:公園、緑地等であれば植栽管理に用いることができる)との誤解を与える事例が発生しているため、この表現を用いた表示は控えるよう求められています。
つまり、「農地ではないから大丈夫」とは限りません。ベランダで花や野菜を育てているなら、植物の栽培・管理に関わる場面と考えて、農薬登録の番号があるかどうかを確かめるのが安心です。
お店での並べ方
販売者向けの説明では、「農薬登録のある除草剤」と誤解して購入されることを防止するため、「農薬として使用することができない」旨を、わかりやすく表示、陳列することへの協力が求められています。表示を行う際は具体的に使用できない対象を記載し、陳列する際は農薬登録のある除草剤と混在させないよう、明確に区別するようお願いされています。農薬として使用することができない除草剤の販売に当たっては、農薬取締法第22条に基づき、容器・包装と店頭における表示が必要だ、とも書かれています。
ただ、売り場によっては同じ棚の近くに並んでいることもあるかもしれません。棚の場所だけで判断せず、手に取った商品の容器・包装を一つずつ確かめるようにしましょう。
ネットで買うとき
農林水産省は、農薬として使用することができない除草剤をインターネットで販売する場合には、販売サイト上で農薬として使用することができない旨を記載するなど、わかりやすい情報提供に協力するよう販売者にお願いしています。ネットで買うときも、商品ページの説明や画像で登録番号の記載を確かめ、わからない場合は購入前にショップに問い合わせてみてください。
使うときの注意点
ラベルを守る
ページでは、ラベルに書いてある注意事項を守り、周辺の田畑や住宅地などに除草剤を飛散させないよう注意しましょう、とされています。使用する際には、容器・包装に記載されている使用上の注意事項等を確認し、守ることが求められています。農薬は使用方法どおりに使えば人や農作物の安全は確保されるが、適正に使わないと、飛散などにより農作物が枯れるなどの被害が発生することがある、とも書かれています。
風の弱い時間帯を選ぶ
散布は、無風又は風が弱いときなど、周辺近隣に影響が少ない天候・時間帯に行いましょう、とされています。ページでは、強風時の農薬散布により隣接するほ場内の小麦に飛散し、黄化・枯死した事例や、強風時に隣接する畑地で除草剤を散布したため、稲の葉の変色・生育不良が起きた事例が紹介されています。
周りの人に知らせる
ページでは、事前に周辺住民等に、使用の目的、散布日時、種類及び使用者等の連絡先を、十分な時間的余裕をもって幅広く周知しましょう、とされています。
住宅地では飛散を防ぐ
「住宅地等における農薬使用について」のページでは、学校、公園、街路樹及び住宅地に近接する農地等において農薬を使用するときは、農薬の飛散を原因とする住民等の健康被害が生じないようにすることが必要だ、とされています。周辺住民等から相談があった場合に対応できるよう、都道府県には相談窓口などの体制を整備することとされていて、各都道府県の相談窓口の一覧が公表されています。
| 注意点 | ページに書かれていること |
|---|---|
| ラベル | 使用上の注意事項等を確認し、守る |
| 天候・時間帯 | 無風又は風が弱いときなど、周辺への影響が少ないとき |
| 周知 | 目的、日時、種類、連絡先を事前に幅広く知らせる |
| 相談 | 都道府県に相談窓口がある |
ベランダで除草剤を使う前に
ここからは、農林水産省のページをもとにした、この記事の提案です。
まずは手で抜けないか考える
ベランダの雑草は、プランターの土の表面や、鉢の受け皿のすき間など、限られた場所に生えることが多いものです。量が少なければ、草取り用の道具で根から抜くほうが手軽な場合もあります。ベランダは隣の部屋や下の階と近く、風で薬剤が流れやすい場所でもあるので、使う前に本当に必要かを一度考えてみましょう。
使うなら登録番号と対象を確かめる
花や野菜のプランターの近くで使うなら、農薬登録のある除草剤を選び、ラベルにある対象の植物や使用方法を確かめましょう。育てている植物がラベルの対象に入っていない場合は、使えるかどうかを販売店やメーカーの問い合わせ窓口に確認してください。希釈して使うタイプは、ラベルにある希釈倍数や使用量を守り、多めに作りすぎないよう、使う分だけを用意するのがおすすめです。散布するときは、育てている花や野菜にかからないよう、板や段ボールで覆うなどの工夫も考えてみましょう。
集合住宅では管理規約も
マンションやアパートのベランダは、共用部分として扱われていることがあります。薬剤の散布について決まりがないか、管理規約や管理会社に確認しておくと、近所とのトラブルを防ぎやすくなります。洗濯物や布団を干している時間帯は避け、気になる場合は隣の人にひと声かけておきましょう。
雑草が生えにくい工夫
除草剤に頼る前に、雑草が生えにくい環境をつくることも考えてみましょう。プランターの土の表面をバークチップやマルチング材で覆うと、日光が当たりにくくなり、雑草の芽が出にくくなることがあります。植え替えのときに新しい培養土を使うのも、雑草の種を持ち込みにくくする方法の一つです。使う資材は、育てている植物に合うかを商品の説明で確かめてください。
保管と片付け
除草剤を使ったら、残った薬剤は、ラベルに書かれた保管方法に従って、子どもやペットの手の届かない場所にしまいましょう。ベランダは日差しや雨が当たりやすいので、置きっぱなしにせず、室内の決めた場所に戻すと安心です。使い終わった容器の捨て方は、お住まいの自治体のルールを確認してください。
| 場面 | この記事の提案 |
|---|---|
| 雑草が少ない | 道具で根から抜く |
| 花や野菜の近く | 農薬登録のある除草剤を選び、対象を確かめる |
| 集合住宅 | 管理規約と、近所への配慮を確かめる |
| 予防 | 土の表面を覆って雑草を生えにくくする |
| 保管 | ラベルに従い、手の届かない場所にしまう |
迷ったら相談する
ラベルを読んでも使い方がわからないときや、育てている植物に影響がないか心配なときは、自己判断で使わず、購入した販売店やメーカーの問い合わせ窓口に相談してみましょう。商品名と、育てている植物の名前、使いたい場所を伝えると、話がスムーズに進みます。購入前に相談しておくと、選び直す手間も省けます。わからないまま使うより、聞いてから使うほうが安心です。
除草剤のよくある質問
家庭菜園は農薬登録のある除草剤の対象?
農林水産省のページでは、農薬登録のある除草剤が使われる場面として、家庭菜園やガーデニングも含まれる、と書かれています。
駐車場用の除草剤を花壇に使ってもいい?
農薬登録されていない除草剤を、農作物や樹木・芝・花きなどの栽培・管理に利用することは、法律で禁止されている、とされています。
どこで見分ければいい?
容器・包装に「農林水産省登録第○○○○○号」の記載があるかどうかを確かめましょう。
農林水産省のチラシはある?
農林水産省は、除草剤を購入するときのポイントや、使用するときの注意点をまとめたチラシを作成していて、「除草剤の販売・使用について」のページから見ることができます。
近所の散布が気になるときは?
都道府県には住宅地等での農薬使用についての相談窓口が設けられていて、一覧が農林水産省のページで公表されています。まずはお住まいの都道府県の窓口に相談してみてください。
ベランダの除草剤は表示を確かめてから
除草剤には、農薬登録のあるものと、登録されていないものの2種類があります。ベランダで花や野菜を育てているなら、容器の登録番号を確かめ、ラベルを守り、風の弱い時間帯に周りへ配慮して使いましょう。量が少なければ、道具で抜く方法も考えてみてください。